光る砂漠
浜松にも浜松祭りでの凧合戦がありますが、そんなところにも少しつながりを感じたりします。
「光る砂漠」は21年の短い生涯で病と闘いながら書きためた詩を、入院先の三条結核病院の主治医を中心に遺稿詩集としてまとめられた詩集です。
その詩集から作曲者の萩原英彦がその中に「言葉の抑揚の清冽さと、そこに響き合い天翔ける魂」を感じて矢澤宰が亡くなってから5年後に作曲されたものです。
校庭で「秋」を見つけた「再開」から、季節を巡ってまた秋に戻るという流れで進んでいきます。
終曲「ふるさと」で「山に水を返したと思った」という印象的な言葉と曲で、いままでに自然のなかでいろいろな思いや感動を与えられていたことが、今度は自らが自然に対して思いを還すことができたと感じた思いが伝わります。
矢澤宰の日記のなかで「美しい行為、潔白な態度、それが私のモットウでなかったか?」と恋に破れた自分の態度を振り返り自問自答しているところがありますが、きっと人生のすべてがこのような考え方だったのだろうと思わせるまっすぐで美しく、潔い姿勢が詩の中に感じられます。
「再開」を歌うと、学生の頃の合唱団の練習場の前に立っていた松の木を思い出します。卒業以来松の木にも、秋になるとその下に立っていた名前も知らない茸にも再開できていませんが。
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